今の憲法が施行された昭和22年5月3日、永井荷風が日記『断腸亭日乗』に書いた「感想」は、有名だ。「米人の作りし日本新憲法今日より実施の由。笑ふべし」。荷風とて、占領下の日本が憲法を押しつけられることは……【産経抄】「笑ふべし」ではすまない 日米の戦争の歴史観
産経抄を書いている人はどんな人か知らないが、荷風を引用するは一寸違うぜよ。
確かに、鬼畜米と言っていた日本人が手のひらを反して新憲法を受け入れたのは、“笑うべし”なのだろう。
しかし、荷風は新憲法を笑うべしと言ったのではない。
永井荷風の日記・断腸亭日常を今の我々が読むことが出来るのは、荷風の並々ならぬ配慮があった。
■日記は、普段は下駄箱に隠していた。
■ある時までは、検閲を畏れて日記の記述について神経質になるぐらい推敲を重ねた。
■空襲で日記を消失するのを畏れて、大量の日記を知人に預けた。
当時の日本人、そして作家としても軍隊嫌い、理由は簡単、内にいばり、外で人を傷つけるからだ。
■戦争に協力する作家の団体には入会しなかった。なんせ菊池 寛が大嫌い。
■金属の供出命令も拒否、それでも足らなくてわざわざ隅田川に捨てに行った非国民。
■ラジオ(NHK)と新聞嫌い。特に新聞は、戦意発揚の機関紙みたいものと考えていた。
■ナチスに踏み込まれるフランス、日本軍に酷い目にあうだろう中国人へ同情している。
今の、日本、憲法論議も中韓の反日も、とにかく鬱陶しい。
所詮、歴史認識なんて庶民には関係ない。
外に対しては、しばらく日本人が一丸となってエコノミックアニマルに徹すること。
中国、韓国が日本をなめるようになった最大の理由が以前より金持ちになったからだ。