ギリシャは決して怠惰な国民ではないし公務員天国でもない。
日本のある過疎地で公務員の給与を大幅にカットして公務員を増やしたところがある。
たぶんギリシャが公務員を増やしたのはこのワークシェアの発想だろう。
現役時代と変わらない年金額も、それでなんとかやってきた。
兎に角、ドイツ人程勤勉ではないがちゃんと働いてきた。
ギリシャがドイツに騙されてユーロの仲間に入ったのが全ての間違い。
ウクライナ危機もロシアだけでなくドイツにも責任がある。
何故、ギリシャが追い込まれたのか?
関税自主権の放棄、資本移動の自由化、通貨発行権の委譲、緊縮財政、国有財産の売却、労働規制の緩和、
モノ、ヒト、カネという「経営の三要素」の国境を越えた移動を自由化し、
「フェアな統一市場」を構築し、生産性が異なる国々が競争すれば、国家を勝ち組と負け組に分けてしまう。
負け組の国家は生産性向上の機会を奪われ、
永遠の負け組のまま発展途上国化し、社会が不安定化する。
ドイツ人から見れば、ギリシャ人は約束を守らない、怠惰でしょうがない奴、
一方、ギリシャ人としては、公務員も年金も減らした、現在は、長時間働いている、ドイツの繁栄は自分たちの犠牲の上に立っているのではないかとの想いがある。

ソ連の崩壊を予言したエマニュエル・トッドの著書「ドイツ帝国が世界を破滅させる」は、隣国フランスからの警戒論。
フランス国民がドイツ抜きの新しいEUを作ろうと言い始めている。
更にギリシャ危機をチャンスと考えている国があるから厄介な話。
ロシアと中国、
ロシアとギリシャの宗教は同根、ギリシャを取り込めば、ロシアはヨーロッパを牽制出来る。
中国は、自国海軍の母港が出来るというので欣喜雀躍、それもロシア艦隊があるクリミアよりヨーロッパに近い場所、海のシルクロード実現へ一つ駒を進めたことになる。
国別の産業競争力を比較すると、
1位/日本、2位/ドイツ という見方がある、
日本が1位かどうかは別にしてドイツは、フランスやイタリアより上だ。
先進国で最も輸入車シェアが小さい日本でも、ドイツ車がNo1、デジタル製品はぱっとしないが、家庭で使う鍋釜の類から白物家電までおしなべて日本のものより高級品を作っている。

ユーロのレートが高ければ輸出に不利、安ければ輸出に有利になる。
ユーロのレートは、ユーロ全体の経済力、域内にギリシャや南欧諸国が入っていることでユーロ安になっている、
つまり、ドイツは、ギリシャの恩恵を受けている。
国と国の貿易は、夫々の国のハンデを関税と為替で調整している。
中国と韓国から近隣窮乏化政策と非難された日本の円安は、国際的には合法、
いまさら言ってもしょうがないが、もっと前にやっていれば、はるかに安いコストでできたはず。
ギリシャも日本も為替の犠牲者。
日本は、円安へ舵を切れたが、ギリシャはユーロ圏に入ったためにその手立てを失った。
国内であれば、所得の多い東京都や愛知県から所得の少ない県に地方交付税と言う形で所得の移転が可能。
しかし、ユーロ圏の中では、このような助け合いはない、
トマ・ピケティーの言うようにドイツがギリシャの借金の一部を棒引きしなければ又ギリシャ危機が再燃されるだろう。
今、ドイツに移民が押し寄せている、問題なのはその中に頭のいい奴が急増していること、
これ、日本にとっては大脅威、
日中、日米は補完関係が成り立つが、日独はあらゆる産業分野でバッティング。
日本も、うかうかしていられない、
すぐ、背後に人口たった8000万人のドイツ帝国が迫っている。


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